ふれあいニュース(今月のスポットライト)

さわやか愛知では、会報誌「ふれあいニュース」を発行しています。
今月のスポットライトでは、さわやか愛知とともに歩んでくださる、ケアワーカーさんをご紹介していくコーナーです。

2020年 冬号 岡田 久男さん

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さわやか愛知に入会して、20年が過ぎました。
「光陰矢のごとし、階前の梧葉己に秋声」の心境です。
第二の人生に福祉を選んだのは、実母の介護ができなかったことと、NPOの活動に参加したかったからです。

退職後1年間は自由に時間を過ごす予定を3ヵ月で終了させて、福祉の知識は皆無でありながら、 遠慮会釈なくさわやか愛知の川上代表に面会を申込み、即入会しました。
最初の活動は配食事業でした。
配食の第一目的は「安否確認」だが、できれば「一言の会話」をするように、とアドバイスされました。 そんなことは当たり前という軽い認識でしたが、数日後お届け先で「今日、会話したのは、あんたが最初だよ」と言われ、配食活動の意義の重さを実感しました。

福祉の世界を知るにつれ、各事業所・行政の支援が土日・夜間は空白であることに疑問を持ち始めたとき、 代表から「さわやか愛知は24時間365日活動する」という事業が提案されたので、この「ナイトサービス」に当初から参加しました。
発足時は二人体制でスタートしたものの、利用者数の減少と日常的安全確認制度の充実もあり一人体制に変更しました。 そして、約14年続いたこのサービスは、今春終了しました。

この活動の中で「これこそたすけあいだ!」と思った事例を紹介します。
ナイトサービス開始2年目の夜半に、独居の男性から電話が入りました。
「トイレへ行こうと立上がろうとしたら、滑り落ちて動けなくなった」急いで訪問すると、大量失禁のまま座込んでいました。 ベッドへ移動し、着替えを手伝いました。
言語はしっかりされており通常会話が可能でしたが、万が一を考え、救急車を呼ぶことと近親者への連絡をすべく申し上げると、 非常に強く拒否され、早急にヘルパーの訪問を依頼されました。翌日の早朝、訪問したヘルパーの最初の一言「どうしたの?」に対し、 ホッとされたご利用者の表情が今でも脳裏に焼付いています。
ヘルパーとは「相互信頼」の絆が大切であることを再認識しました(これは当たり前のことなのですが、最近は一方通行が多いですね)。

東日本大震災の翌年には、復興支援の一環として、さわやか愛知の「たすけあい活動」を伝える事業に参加しました。 陸前高田、釜石、郡山の現地での打ち合わせに参加させていただきました。
私にとり生涯の思い出であり、誇りです。 現地のNPO、行政、実際にたすけあい活動に参加中の方々と、高齢者の通院や買物などの日常の過ご し方について話合いました。被災地外から来た私共を、何のわだかまりもなく受入れてくださった現地の 方々に尊敬と敬意の念を抱きました。 窮地の際の日本人の「我慢強さ・他人を思いやる心の優しさ・相互信頼」を学びとれました。 将来に向けて自分が「強さ・良さ・優しさ」を発揮できるのか、それを続けられるのか、恥じる毎日です。

現在は、ケアと並行して、さわやか愛知のクラブ活動「各駅停車の旅」「わいわいクラブ」「ぐだぐだダンディズ」の3クラブに所属して楽しんでいます。 「各停の旅」クラブは発足10年になり会員15名にて運営中です。ユックリ、ユッタリ、温泉にツカリ、B級グルメを味わい、一日を楽しみます(含む認知症対策)。

20年にわたり私を支え、励まし、元気づけていただいた、さわやか愛知の全ての方々、 ご利用者の皆様、20年間過ごさせていただきましたこと、「アリガトウ」の一言です。